山形県県立高校の推薦入試について

◎山形県県立高校の推薦入試制度は平成26年度より変わりました。

 

 主な変更点は、まず、学校推薦から自己推薦になりました。そのため、中学校による推薦をするしないの事前判定がなくなり、出願要件を満たせば、生徒の意思で推薦入試を出願できるようになりました。次に、普通科の推薦入試が無くなりました。米沢興譲館や長井、米沢東、南陽などの普通科は通常の入試のみとなります。また、普通科以外でも、米沢興譲館の理数科や米沢工業の定時制も推薦入試を実施しません。

 

◎自己推薦ができるかどうか、いつわかるか?

 12月下旬に行わなれる三者面談の際にわかります。その頃にならないと内申点が確定しませんので、それ以前ではわかりません。

 

◎各高校の出願要件を見るには?

 各高校の正式な出願要件を見るには、「山形県 令和4年度入学者選抜情報」で検索し、「令和4年度入学者選抜情報ー山形県ホームページ」をクリックすると、そのページ上に「(3)各公立高校の取り組み」の東北南西地区のPDFファイルがあります。その中を見ていただければわかります。しかし、書いてある内容を理解するのはちょっと難しいと思います。

 

◎出願要件に各要件について

 出願要件には3~5つの要件があります。必ず必要な要件が「キャリア形成に係る要件」です。この要件に書いてあることは、簡単に言えば、「その高校でちゃんと勉強して、卒業後の進路にその勉強を役立てるという意思がある」ということです。よって、「なぜ、その高校に入学したいか」という志望理由がちゃんとしていれば、要件を満たします。

 次に「成績評定概況に係る要件」があります。ここに書いてある「評定合計が○○以上の者」の「○○」にあてはまる数字がいわゆる内申点です。「成績評定概況に係る要件」が必須の高校がほとんどですが、一部の高校では必要ない高校もあります。例えば、置賜農業高校は必須ではありません。必須かどうか見分けるには、出願要件の一番下にある

<「キャリア形成に係る要件」と「成績評定概況に係る要件」に加え、それ以外の要件のいずれか一つ以上該当する者>と書いてあれば、内申点が必要になります。

<「キャリア形成に係る要件」と、それ以外の要件のいずれか一つ以上該当する者>と書いてあれば、必ずしも内申点が必要とはなりません。

 あとは「特別活動等に係る要件」、「校外活動に係る要件」、「その他」の3つがあります。「特別活動等に係る要件」は生徒会役員や部活動で活躍したなどの実績、「校外活動に係る要件」はボランティア活動や学校以外のスポーツクラブなどで活躍したなどの実績で、いずれか一つ該当する必要があります。ただし、内申点が必要ない高校は、内申点があればよいことになります。一部の高校では「その他」として、英検などを取得しているでも要件を満たす場合があります。例えば、米沢工業高校の場合は英検3級以上を取得していれば該当します。

 「特別活動等に係る要件」と「校外活動に係る要件」に関しては、当てはまるかどうか非常にわかりにくい場合がありますので、12月下旬の三者面談の際に担任の先生と相談してください。

 

◎自己推薦をした方がよいかどうか?

 もし、要件を満たして自己推薦ができるのであれば、した方がよいと思います。仮に推薦入試で落ちたとしても、内申点が高いので、3月10日の本番の入試で合格できる可能性の方がはるかに高いです。ただし、「推薦で受かればラッキー、だめでも本番がんばればよい」と割り切って考えられるポジティブ思考の人ならいいのですが、落ちると精神的に引きずるようなネガティブ思考の人はやめた方がよいです。結果が判明して落ちた後に残された時間があまりありません。落ち込んでいる時間がないのです。ネガティブ思考の人は本番一発勝負の方がいいと思います。

 

◎推薦入試の注意点

 推薦入試を受ける場合、1つだけ注意することがあります。推薦入試に合格した場合、その学校に入学することを辞退することはできません。推薦入試の願書を出す際に担任の先生に念押しされるはずです。その点だけは気を付けてください。逆に推薦入試を受けて落ちてしまった場合、本番の入試の際、別の公立高校や同じ高校の別の学科へ変更するには、別途、志願変更届を書く必要があります。

 

◎募集人員について

 募集人員割合の表記が「○○%以内」と「○○%程度」の2種類あります。「○○%以内」の場合は、最大その人数までになります。例えば、定員40名で30%以内であれば、最大12名まで合格となり、12名を超えている場合は不合格者が出ます。「○○%程度」の場合は、志願者が多い場合、表記の人員より5%程度多い人数まで合格者が出るようです。例えば、定員40名で30%程度であれば、35%の14名程度の合格者が出ています。それ以上、志願者がいる場合はやはり不合格者が出ます。

 尚、福島県等からの震災避難者の方は別枠で合否判定されますので、実際の合格者が増える場合があります。