教育関連 · 30日 4月 2020
現在の状況から9月入学の導入を求める声が高まっていますが、入試時期の検討が全くありませんので、ちょっと考えてみました。現在の4月入学を単純に5か月ずらして9月入学にすると、大学共通テストの日程が6月中旬になり、2次試験が7月下旬から8月上旬になります。また、公立高校入試も7月下旬から8月上旬になります。6月中旬から8月上旬は梅雨の時期(ただし、沖縄県は例年5月上旬には梅雨入りします。)で、各地で洪水被害等の大雨の被害が多発する時期になります。日本の冬は雪は降りますが、比較的天候は安定していますので、今まで水害について問題にされていませんでいたが、水害が起こる時期に果たして入試を行うことができるでしょうか。 洪水被害を受ける地域は日本全体でみればごく一部ですが、被害を受けた地域の受験生はとんでもない状況で受験するはめになり、受験では圧倒的に不利です。大学入試の英語の外部試験の導入で機会の不平等で、導入見送りになったことを踏まえると、日本でこのような不公平な状況を見過ごせるとは思えません。大学入試を考えると、大雨の被害を避けるには、3月中旬に大学入学共通テストをやり、4月下旬から5月上旬で2次試験を行うのが理想です。沖縄県や九州地方の方にどうにかしていただければ、4月中旬に大学入学共通テストをやり、5月下旬から6月上旬で2次試験を行うのができるかもしれません。公立高校入試は各都道府県ごとに入試日程を決められますが、水害が起こりそうな時期にするのは難しいので、やはり、5月上旬までにした方がよいと思います。最悪、入試の最中に大雨特別警報が出されたらどうするか、入試日の直前に洪水被害が出た場合はどうするかなど想定しておかなければならないことが多すぎます。 ところで、令和元年度の米沢市内の公立小学校は208日程度、公立中学校の登校日数は204日程度、米沢興譲館高校で最大207日、ただし、高校3年生は最大174日(普通科・探究科・理数科で若干異なります)です。大雑把に高校3年生以外は200日、高校3年生は170日とすると、令和2年9月1日~令和3年6月30日の期間で年末年始に1週間だけ休むとすると、平日のみであればちょうど200日となります。令和3年5月19日までで170日になります。土曜日もまるまる授業を入れれば、令和2年9月1日~令和3年5月17日までで200日、令和3年3月30日までで170日になります。そのため、高校3年生だけは土曜日も登校日にできれば、3月中旬に大学入学共通テストすることも可能となります。5月上旬に卒業式をして、それから8月までの4か月近くの長期の休みとなります。とりあえず、どうにかできる日程ですが、全国の高校3年生の方は日曜日と祝日と年末年始の休み以外休日のない学生生活となります。 9月入学がグローバルスタンダードといっても、世界の気候と日本の気候は違いますので、単純に日本に当てはめることはできません。気候は変えられませんので、社会システムの方を気候に合わせる必要があります。水害が起こる時期に入試を行うのはどうしても避けてほしいと思います。 (文責:山口)